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ホウネット通信

ホウネット経営塾 第1回報告 『中小経営者のリーダーシップとは』 立木勝義

2010年6月29日

『中小経営者のリーダーシップとは』

伸びる企業と停滞する会社の違いー中小企業経営者ともにあるいてー

講師 立木 勝義

日時 2010年5月27日

場所 名古屋北法律事務所

第一回目のホウネット経営塾が、2010年5月27日に名古屋北法律事務所で開講しました。

講師は立木勝義ホウネット経営塾塾長、受講者数は15名でした。受講者は企業経営に携わる方が多く、また、年代も幅広い方が受講していただきました。

講義の内容は大きく2つに分かれていました。その内容は、一つ目に「中小企業経営者のリーダーシップとは」、2つ目に「伸びる企業への提言」です。

その授業に入る前に、立木塾長よりあいさつがありました。そのあいさつでは立木塾長の生い立ちを話してくださいました。立木塾長はお母様と兄弟姉妹6人の末っ子として育ったとのことでした。当時の生活は貧しく、生活をしていくのが困難でした。そんな中でもお母様はいつも前向きで、家の中は明るかったとのことでした。そのため、立木塾長も明るい性格になったとのことでした。

この話を聞いて、どんな苦境に立っても、前向きな気持ちになれば周囲の環境も明るくなり、それが、より良い方向に進むきっかけになるのではないかと立木塾長を見て思いました。

―中小企業経営者のリーダーシップとは― 

中小企業経営者のリーダーシップについて話していただく際に、ケーススタディとしてこれまで立木塾長が見てきた企業倒産について話していただきました。

 一つ目のケーススタディとしては、婦人服洋服製造卸売を営んでおり、年商は最高時で9億円(破産時1億円)、負債総額は3億円という規模の企業です。

 この企業が倒産した要因は、

1,社員の架空注文。

2,海外から婦人服が参入、それによる発注減。

3,社長の病気。

二つ目のケースは、文具卸売を営んでおり、年商は最高時で1億7000万円(破産時1億円)、負債総額は3億円という規模の企業です。

倒産した要因は、

1,関連会社設立のための投資。

2,書店業界全体の売上低迷。

3,不動産担保価値の低減と銀行の融資拒絶。

4,振出手形の焦げ付きと不渡り。

これら倒産企業の共通項は、1,経営指針・戦略が無い、2,企業理念が無い、3,財務に弱い、

4,人を育てなかった。という点であると話してくださいました。

このケーススタディから浮かび上がった共通項から、リーダーシップに必要なものは、「方向性をだけを示す」ことです。その「方向性をだけを示す」ためには、1,社員に対して会社の目標を示し、理解させ、やる気を出させる。2,会社や組織を変える勇気を持つ。3,会社の未来を描く、描くことでそれが経営理念となるという3つを実行することが必要であるとのことでした。

上記3つのことを実行するには、経営者と社員間のコミュニケーションが必要となります。そのコミュニケーションの内容は、「他人の意見を聞く」、「何でも話し合える雰囲気をつくる」、「経営者や管理職は部下に自分の言葉で体験等を話す」ということが重要です。この三要素を含んだコミュニケーションを通じて経営者・管理職・労働者の絆が深まり、よりよい仕事が出来ると話してくださいました。

―伸びる企業への提言―

先ほどの倒産企業のケーススタディも踏まえて、伸びる企業にしていくためには次のことが必要です。

1,財務は会社の現状を表すものである。そのため、財務状態を読み取り取引先を選定する。 

2,勉強会などに参加して知識を深め、かつ、時流や将来を読み取るアンテナを高くして読み取ったものを会社や組織に生かす。

3,弁護士などの専門職を活用する。

4,経営者と労働者、労働者と労働者間のコミュニケーションを深め、自由闊達な意見交換ができ、それを生かすことが出来る組織を作る。

という4つの点が企業が成長する要素であると話してくださいました。

今回の授業を通じて感じたことは、経営者と労働者、労働者と労働者間のコミュニケーションを深めることが重要だと思いました。企業は人が居て、そこで人が働いてはじめて企業として機能するものです。すなわち、企業は人ありきです。そのため、役職に関係なく人と人とのコミュニケーションが必要となり、そのコミュニケーションの結果が企業活動に密接につながると感じました。

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