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知って得する法律情報

遺言書の種類

2026年1月16日

 遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。

 自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・署名を自書し、押印して作成する遺言書です。
 費用をかけずに自分だけで作成できる手軽さが最大のメリットです。一方で、形式不備や紛失・改ざんのリスクが高く、相続開始後に家庭裁判所で検認手続が必要になる点がデメリットです。書き方に不備があると遺言書が無効になるというリスクもあります。

 これに対し、公正証書遺言は、遺言者が公証人に内容を口述し、署名をして、公証人が公正証書として作成する遺言書です。法律の専門家である公証人が関与して作成するため、形式的な不備の心配がなく、原本が公証役場で保管されるため紛失リスクもありません。また、相続開始後の検認が不要で円滑に手続を進められます。ただし、作成には公証人手数料(遺産額にもよりますが3000万円程度であれば数万円程度)がかかり、証人2名の立会いも必要になるなど、準備に手間がかかる点がデメリットです。

 近年は、自筆証書遺言の弱点を補う制度として「法務局での自筆証書遺言保管制度」が導入されました。これは遺言書を法務局に提出して保管してもらう仕組みで、改ざんや紛失を防げるうえ、この制度を利用した遺言書は家庭裁判所の検認が不要になります。費用も公正証書遺言ほど高くありません。ただし、公証人による内容チェックはないため、文言の不備があれば無効となる可能性は残ります。

 遺言書は自分の思いを確実に届ける重要な手続です。費用・手間・確実性を比較し、自分に合った方式を選ぶことが大切です。作成に迷われた場合はぜひ法律事務所へご相談ください。

弁護士 坂輪萌子(名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)

 

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