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知って得する法律情報

相続法改正②

2018年11月30日

 今年7月、約40年ぶりに相続法が改正されましたが、2回目の今回は、新設された配偶者居住権についてご説明します。 配偶者居住権とは、配偶者が亡くなった時(=相続開始の時)に配偶者名義の建物に無償で住んでいた場合に、死ぬまで、あるいは一定の期間、その建物を使用する権利のことです。 

 今までは、亡夫の遺産を妻と子どもで分ける場合、夫名義の自宅に住み続けるためには、原則的には遺産分割で自宅を取得するしかありませんでした。しかし、不動産は高額ですので、自宅の土地建物を取得したために預貯金などの金融資産を取得できないことがあり、老後の生活が苦しくなる、という問題がありました。しかし、新設された配偶者居住権では、不動産の所有権そのものを取得するよりも安く済むので、その分預貯金を多くもらうことができ、住む場所とともに老後の生活費も確保できるというわけです。 

 同時に、配偶者短期居住権も新設され、①遺産分割で居住建物の所有者が確定する日までの間(ただし最低6ヶ月間は保障)、②居住建物が第三者に遺贈された場合や、配偶者が相続放棄した場合にも、所有者から請求を受けた後6ヶ月間は、やはり亡くなった配偶者名義の建物に無償で住み続けることができることになりました。 これらの改正は2020年7月12日までに施行されることが決まっています。高齢化社会に合わせ、配偶者の老後生活を安定させるために新しい権利が創設されたのです。

    弁護士 裵 明玉 (名古屋北法律事務所)

(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転載しています)

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