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ホウネット通信

諸外国から学んで、素敵な働き方を! 2

2006年5月19日

職場は厳しく、労働はきつい。新聞も雑誌もそんな記事におおわれています。NHKの人気があった「プロジェクトX」もそんな番組でした。ところが今度はじ まっている「プロフェショナル」には、すこし素敵な働き方が出てきています。私は期待しているのですが、これからどうなることかわかりません。

今年のメーデーに参加した方はありますか。
私は参加させて頂きました。スローガンにはたくさんの働くものの要求と夢が描かれていました。そこから雇用と労働時間を見てみたいと思います。
フランスのメーデーは、労組によって違いはありますが、「労働の祝日」として有給休暇の1日です。今年フランスでは3月から4月にかけ、300万人のデモが続きました。
日本ではウソのようですが、農民が政府の農業政策に怒って、乳牛を100頭も高速道路に放置してマヒさせたり、パリの路上に収穫したブドウの山を捨て去っても国民は支持するお国柄です。
今回、問題になったのは若者の雇用法案の規制緩和です。フランスは原則的に無期限雇用契約の国です。2ヶ月程度の試用期間は存在しますが、26歳まで2年に延長して解雇自由にする。解雇理由の説明もいらない法案を作ろうとしたので、若者は怒りました。国民が支持したのです。背景はあります。あとで触れますが週35時間の国です。

ドイツのメーデーは公務員と金属産業の二大労組のたたかいのなかで行われました。公務員は労働時間延長と人員削減反対です。使用者側は38.5時間を40時間に延長要求しましたが、16州のうち10州でストに突入、38.7時間から39時間で妥協しています。
金属産業労組(IGメタル245万人)は賃上げです。5%の賃上げを要求し警告ストなどのあと、ある州で3%の賃上げと一時金310ユーロを勝ち取りました。これがモデルになってほかの州で妥結しています。

しかし、ドイツでも労働者を巡る状況はきびしいのです。大手のVW社では週28.8時間から賃上げなしで35時間へ延長、2万人の削減提案が行われています。

日本の週40時間制は守られていますか。
人間らしい働き方の基本ですが、長時間過密労働が強制されて、かなりの職場で崩されています。裁量労働制とかホワイトカラー・イグゼンプション制とか、名前を変えて長時間労働を自由選択労働のように飾り立てています。非正規労働、パート、アルバイトを含めて長時間労働がまかり通っています。しかも無償残業がまかり通っています。
政府は世界中から「日本は長時間労働」と批判され「年間1800時間」を目標にすると公約をしましたが、昨年財界の圧力で止めてしまいました。
政府は長時間労働をなくする施策でなく、2千時間を超えていた労働時間統計に、パート労働者を取り込んで、数字だけ1800時間近くまでもっていったのです。
1日6時間などの短時間労働者を含めて平均値をとれば、数字だけ下がるのは当然です。私たちは「政府の怒インチキ数字」だと批判しました。

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