「スキマバイト」と労働契約
2025年11月4日
「スキマバイト」や「スポットワーク」といわれる短時間や単発で就労する雇用契約が増えています。「タイミー」などの仲介業者を介して、マッチングした労働者を事業者が直接雇用します。
従前、「タイミー」では、労働者が業務当日に現場でチェックイン(QRコード読込)した時点で労働契約が成立するとの考えで運営していました。人手が足りた等、事業者からの直前キャンセルもチェックイン前は契約成立前だから問題ないという事業者もいました。これでは労働者保護に欠け、合意のみで契約は成立するという民法にも反したものです。
そこで、厚労省は労務管理に関する留意事項を公表し、経済団体やスポットワーク協会に対して留意事項の周知を要請しました。
これを受け、例えば「タイミー」では、2025年9月より、ワーカーが求人に応募した時点で労働契約が成立し、地震等の天災や募集条件違反など一定の解約可能事由がない場合は事業者からのキャンセルはできず、キャンセルする場合には休業手当の支払いが必要であると運用を変更しました。
こういった「スキマバイト」が少しずつでも改善することを期待します。
弁護士 新山直行(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)


