オンラインカジノと賭博罪
2025年6月2日
昨今、スポーツ選手や芸能人がオンラインカジノを利用したことを理由に書類送検されたことが相次いで報道されています。
日本の法律は賭博行為を禁止しており、日本国内でスマートフォン、パソコンからオンラインカジノをした場合も賭博行為に該当します。オンラインカジノを利用した場合には、刑法185条の「単純賭博罪」(50万円以下の罰金又は科料)や同法186条1項の「常習賭博罪」(3年以下の懲役)に問われる可能性があります。賭博行為とは、偶然の勝敗によって、勝者が財物を得て、敗者が財物を失うものなので、麻雀や将棋、オセロ、ボードゲーム等の競技種目でも該当します。
警察に事情を聴かれている多くの方々が、「グレーゾーンだと説明されて大丈夫だと思った」「違法だとは思わなかった」という話をしているそうです。しかし、オンラインカジノが違法であることを知らなかったとしても、刑法38条3項により犯罪が成立します。
オンラインカジノはスマートフォンからでも簡単に接続できてしまうことから、その危険性を深く考えずに利用してしまいがちと言われています。国際カジノ研究所の調査によると、日本国内には、300万人を超えるオンラインカジノの利用経験者が推計されるとされており、意外と身近にリスクが潜んでいそうです。
オンラインカジノに限らず、「違法ではない」という誘い文句を単純に信じることはせず、自分でも調べてみるなど、警戒が必要です。
弁護士 村上光平(名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)