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知って得する法律情報

ペニーオークションにご注意を

2012年2月16日

 ペニーオークションというものをご存じでしょうか?

 ペニーオークションとは、日本では 2009 年頃よりみられるようになったインターネットオークションで、人気商品を新品で市場価格よりかなり格安で手に入れることができることを売り文句にしています。私がこの原稿を書きながらインターネットで検索したら約8万円の空気清浄機が50円で落札できたというのがありました。

 一般のインターネットオークションとペニーオークションの大きな違いは、インターネットオークションでは、入札自体は無料でできますが、ペニーオークションは入札をする為には、「ポイント」「コイン」等をあらかじめ購入しなければできません。入札に際し、ペニーオークションの場合、例えば1円ずつ競り上がるというように、入札単位が少額で固定的に設定されており、入札者が自由に価格を決められません。

 また、ペニーオークションでは、入札の終了時刻が決まっておらず、サイト上に「残り○時間○○分○○秒」と表示され、誰かが入札するたびに数十秒ずつ時間が延長されていきます。

 そのため、落札をする為には、落札した金額だけでなく、入札の為の手数料も必要になります。また、手数料を支払って入札をしたとしても、手数料だけかかって商品を落札できないこともあります。

 このようなペニーオークションに関する消費者トラブルが近年増えてきています。主な相談事例として、参加したが落札もできず、入札用のコインを商品金額以上に使ってしまったという事例、何度も入札し続けたが、同じタイミングで入札する人がいたり、さらには落札できたと思ったら別の人が入札するなど、あまりにも納得できない点が多いという事例、サクラや成りすましがいるのではないかとと言った相談があります。また、落札ができたとしても、出品商品が未入荷で取り消しになった事案もあるそうです。

 ペニーオークションでは、落札しなくても入札するたびに入札手数料が発生し、入札者が多いほど落札できる確率は減り、落札者以外は入札手数料分だけ損をする仕組みです。落札できない場合、高額な手数料のみを支払うリスクがある。また落札しても落札価格と入札手数料を合わせると、場合によっては市場価格をも上回る可能性もあり、ギャンブル生が高いといえます。利用する際には、仕組みをよく理解しなければなりません。特に、入札に没頭すると、気付いたときには想定していなかった入札手数料を払わなければならない場合もあります。

 入札手数料「ポイント」や「コイン」も一度購入すると返金されないことが多いですし、サイトが閉鎖になるとそれらが無効になってしまうことも多いです。また、サクラの存在が疑われるような場合には、参加をしないという判断をすることも大切です。

 トラブルにあった場合は、弁護士や消費生活センターなどに相談することをお勧めします。

2012/2/6
弁護士 白川秀之
(ホウネットメールマガジンより転載)

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