催眠商法
2026年4月15日
2月半ば、催眠商法でサプリの購入を持ちかけた容疑で、健康食品販売会社の代表らが逮捕されたという報道がありました。催眠商法とは、閉め切った会場に客を集め、巧みな話術や華やかな演出で客の気分を高揚させ、冷静な判断ができない状態にさせて高額な商品を売りつける手口をいいます。集客の典型的な方法は、日用品や食料品をタダ同然で販売すると宣伝したり、「くじに当選しました」「マッサージの無料体験会があります」などと言って勧誘するものがあるとされます。今回の逮捕容疑は、先着150名に食料品を超安価で販売するというチラシを配って集客し、会場に集まった人たちに国の医薬品承認を受けていないサプリを抗がん剤と同じ薬効があると説明して売りつけようとしたというものだと報道されています。
人間の本能を悪用するこのような手口は古来からあるものかもしれません。日本では、1960年代から90年代に多くの被害が報告され社会問題となりました。その後、2004年の特定商取引法の改正で、本来の勧誘目的や販売したい商品を隠して連れ込みや販売をする行為が禁止されています。近年はあまり話題になっておらず、絶滅した手口のような印象がありますが、多くの地方自治体が注意喚起をしており、上記の逮捕事件もあって実は減っていなかったようです。ある地方自治体の情報によれば、健康関連の高額商品を売りつけるのが典型であるため、被害者の約8割が健康に関心がある70歳以上の年齢層であるそうです。
催眠商法は特定商取引法の訪問販売にあたるので、高額商品を購入してしまっても、購入から8日以内にクーリング・オフ(一方的な契約解除)の申出をすることができます。クーリング・オフについて記載された契約書等の書面を受け取っていない場合は、購入から8日を過ぎてもクーリング・オフできる可能性もあります。被害に遭ったら諦めずに国民生活センターや各地の消費者センター、弁護士などの法律の専門家に相談してください。
弁護士 中島万里(名古屋北法律事務所)
(「年金者きた」へ寄稿した原稿を転機しています)


