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知って得する法律情報

国旗損壊罪、何のため?

2026年10月1日

 今国会で、国旗損壊罪が成立しました。人に著しい不快感や嫌悪感を与える方法で、公然と国旗を損壊、除去、または汚損した者を処罰する法律です。政府は、「国旗を大切に思う国民の感情を保護する」ことなどを立法の趣旨としています。

 何が処罰の対象か明確でないことも問題ですが、それ以上に懸念されるのは、憲法が保障する表現の自由への影響です。政治的な抗議や権力への批判は民主主義に欠かせない表現活動であり、その手法として国旗などの象徴が用いられることもあります。そうした表現まで刑罰によって萎縮させることになれば、自由な言論空間は狭まりかねません。

 国旗に対する愛着や信頼は個人の感情に委ねるべきものです。刑罰で愛国心を育てる発想は、戦前の不敬罪を想起させます。本来、国が果たすべき役割は、国民に特定の価値観を求めることではなく、多様な価値観と表現の自由を守ることのはずです。

弁護士 加藤悠史(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)

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