文字サイズ 標準拡大

知って得する法律情報

悪質エステにご用心

2012年5月23日

 男女を問わず、美の追求には限りがないものです。
若くて健康的な方であっても、さらに見た目を良くしたい、今の状態を永続させたいと思うのでしょうか。

 ある20歳の女性が、執拗なエステティックサロンの勧誘に応じて、総額40万円という高額な契約を結んでしまったケースの相談を受けました。

 彼女は、街角アンケートのキャッチセールスにつかまり美顔エステサロンに誘われました。エステに興味があったので言われるままについて行き、そこでブラックライトを利用した「シミ発見器」のようなものを見せられ(これが胡散臭い)、そこで見た自分の顔に、多数の「シミ予備軍」とも言えるような跡があることに驚愕してしまいした。

 そこで、社員から「放っておくとこんなにひどくなってしまいますよ」「手遅れにならないうちに」と勧められるまま、エステに申し込むとともに洗顔クリームなどの美顔商品を40万円分購入してしまいました。代金は全てクレジットを利用しての分割払いで、負担感は少なくすみました。

 しかし家に帰ってよく考えてみると、高すぎる契約代金に支払って行けるかの不安が生じて相談に来た、という経過です。

 特定商取引法では、エステティックサロンのような継続的な役務提供契約については、役務提供が終わっていない部分は将来に向かって解約することができるとされているので、解約自体は可能なのですが、開封してしまった商品代金については返金は求めることができません

 このことを利用して、最近のエステ契約では施術代金を無料ないし非常に安く設定して、商品代金で稼ぐようになっています。今回のケースもその通りで、施術代金については支払わずにすみましたが、既に開封した化粧品代金を取戻すことはできませんでした

 人の、美しくなりたい、いつまでも美しくありたいという素直な気持ちを逆手に取って、不安を誘ってあこぎな商売をする業者が後を絶ちません。悪質エステティックサロン被害はまだまだ減る様子がありませんので、皆さんお気をつけ下さい。

参考URL:http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000047/47816/index.pdf

2012/4/25
弁護士 伊藤勤也
(ホウネットメールマガジンより転載)

このページの先頭へ