退職代行
2025年6月16日
4月は新入社の季節ですが、入社後すぐに退職代行業者を使って退職をしたというニュースが話題になりました。退職代行業者は最近急速に普及してきて、手軽に退職できるということでニーズが高まっています。
退職自体は業者を使わなくても、会社の人に会わなくてもできます。一般的に退職は14日の期間をおいて退職する旨を記載した内容証明郵便を送付すればできます。就業規則等で14日以上の期間を定めてある場合には、会社が退職に同意をしない限り、退職の効果が発生するまでの期間が延びます。
その期間中には出社をしなければならないようにも思えますが、出社をしなくても給料が払われないというだけで、有給休暇が残っていれば、それを充てることが可能です。出社をしないことで会社が損害賠償請求をすると脅してくることもあり得ますが、基本的に雇用は代替性があり、その人でなければ不可能という仕事はないと考えられるため、退職を理由に損害賠償が認められたという事例はほとんどありません。
業者を使えば退職に関するやり取りを任せることができ、ストレス軽減になるという理由で利用が拡大していると思いますが、会社側が様々な反論をしてきた場合、弁護士でない業者では交渉ができません。弁護士も退職代行の業務をしていますし、聞き取りの中で残業代未払等の関連する問題が見えてくる場合もあります。名古屋北法律事務所の相談事例の中には、退職相談の中で残業代が請求可能であることが判明したものもあります。退職に関してお悩みの方は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士 白川秀之(名古屋北法律事務所)
(「年金者きた」へ寄稿した原稿を転機しています)