文字サイズ 標準拡大

メールマガジン

ホウネットメールマガジン Vol.32

2013年3月27日

◆◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆◆◆  ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◆◆◆   ★ホウネットメールマガジン★  vol.32  2013年3月6日配信 ◆◆    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 1 ワンポイント法律知識  弁護士 矢崎暁子 2 事務局コラム  3 裁判・司法情報 4 行事案内 5 編集後記 ┏━┓ ┃ 1┃ ワンポイント法律知識 連載「成年後見制度」  弁護士 矢崎暁子 ┗━╋…─────────────────────────────  前回、任意後見契約について制度のご説明をしました。  今回は任意後見人の仕事内容や課題についてです。 1 任意後見人の職務 (1)任意後見人の職務でないこと  任意後見契約は、委任契約の一種であることから、法律行為についてしか委任す ることはできません。つまり、食事の介助、掃除、オムツの取り替えといったような事 実行為は、任意後見人の職務ではありません。これは、法定後見制度と同じです。 後見人がついても、介護を受ける必要があれば、親族やヘルパーさんなどの力が必 要なのです。  もし、後見人となる人に対して介護を委託したいときには、契約書の中に、その旨 書き入れておく必要があります。  また、任意後見契約は、本人の死亡により終了します。そのため、本人の死亡後 の事務、例えば葬儀などについて委託したいときは、契約書に書き入れる必要があ ります。 (2)契約の取消権  任意後見制度は、法定後見制度の場合と異なり、後見人による契約の取消権は 定められていません。立法時にも任意後見人には取消権はないとされていました。  しかし、詐欺や強迫による財産被害から本人を保護する必要があるのは、任意後 見制度の場合でも同じです。  そのため、民法120条第2項により、詐欺又は強迫によってした契約を取り消すこ とができるとされている「代理人」の中に、任意後見人を含めて解釈することができな いか、という議論がなされています。 2 今後に残された課題 (1)任意後見制度の利用実態  任意後見契約の登記がされた件数は、制度が開始した平成12年から昨年までの 約12年間で、約5万件です。  法定後見制度と比べると、後見開始の審判の申立件数だけでも、平成23年の1年 間で2万5905件だったのに対し、任意後見監督人の選任申立は、平成23年の1年 間で645件でした。  制度の存在自体があまり知られていないこと、契約でどのような内容を定めればよ いのか自分で決めることに不安も大きいことなどから、任意後見制度の利用はまだ まだ少ないといえます。 (2)濫用防止の仕組み  制度を濫用させない仕組み作りも必要です。  例えば、判断能力が十分なうちから財産管理契約(普通の委任契約)を結び、同 時に将来に備えて任意後見契約を結ぶというケースがあります。こうしたケースで、 本人の判断能力が低下して、委任者本人のチェックが働かなくなったにもかかわら ず、任意後見人受任者が任意後見監督人選任申立てをしないまま、監督を受けず に任意の委任契約を続けてしまう、という事案があります。  こういうケースでは、受任者が誰の監督も受けないことをいいことに財産管理権を 濫用し、本人に被害を与えてしまうおそれがあります。そのため、任意後見監督人が 選任される前に任意の財産管理契約を結ぶときには、重要な財産の処分には本人 の同意を必要とするべき、などの提案がされています。 (3)まとめ  禁治産・準禁治産制度のもとでは、高齢者などは財産管理の「対象」とされがちで した。  判断能力が低下したからといって自分らしい生活を阻害されてはいけない、という趣旨から始まった成年後見制度。その中でも、任意後見制度は、自己決定権の尊重を全面に打ち出した画期的な制度だといえます。  今後、よりよい制度にしていくために、注目していきたいですね。   ┏━┓ ┃2 ┃事務局コラム  厳冬の北海道に行きました 事務局 福島あづさ ┗━╋…───────────────────────────── 久々に2月の北海道を訪問しました。 私は大学と仕事で合計6年ほど北海道の道東地方に住んでいたことがあり、冬の道 東は私にとっての原風景です。雪と氷で閉ざされた世界に、人も動物もたくましく生 きています。 今回はのりもの好きな息子のために、釧路湿原を縦断する釧網線を走る蒸気機関 車『SL冬の湿原号』に乗りました。真っ青に晴れ渡った空の下、真っ白な大地を力強 く走る真っ黒なSLは本当に美しかったです。息子以上に親が大興奮でした。 また、冬は野生動物を身近に感じられるという特徴もあります。木の葉が落ちて一面 の雪に覆われるため、姿そのものを見つけやすいだけでなく、足跡や食事の跡など 、動物たちが生きている証がはっきりと見られるのです。3歳の息子に初めてスノー シューを履かせて、親子3人で森の中を散歩しました。キツネやシカの足跡はいたる ところにあり、息子は足跡を追いかけてはしゃぎ回っていました。 「冬の北海道が好き」というと、「すごく寒そうで怖い」とよく言われますが、寒さを上回 る魅力があるのです。もし「行ってみたい!」という方がいらしたら、私までお声がけく ださい。冬の北海道満喫プランを提供しますよ(^_^) ┏━┓ ┃3 ┃裁判・司法情報  事務局 長尾忠昭 ┗━╋…───────────────────────────── 1 共通番号制度:自民が関連4法案を了承 15年に番号交付   http://mainichi.jp/select/news/20130222k0000m010088000c.html  共通番号(マイナンバー)制度をすすめるための法案を自民党が提出を決めまし た。  年金や保険、税金など様々な制度について、自分が受けているサービスをまとめ て確認することができるという、ちょっと聞いただけでは、いいシステムのような気が しますが、本当でしょうか。  情報漏洩や、なりすましの問題などたくさん問題点があると外国の事例ではあげら れています。また、消費税増税と社会保障の一体改革に対し、所得を正確に把握す ることにより、低所得者層に減税や現金給付を行うなどの施策が考えられています が、そもそも消費税増税が社会保障をよくするものではないこともハッキリしていま す。 2 自民が衆院比例区30減案 少数政党の優遇枠も検討  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130304-00000007-asahi-pol  自民党が、衆議院の比例代表の定数を30削減する案を検討しています。  昨年末の総選挙の結果から非常によくわかったことは、惨敗した2009年の総選挙 よりも、投票数を減らしても、小選挙区効果だけで、圧倒的な議席を獲得できるとい う、小選挙区制度の弊害ではなかったのでしょうか。  本当に民意が反映する選挙制度を構築するために、こんなデタラメな削減は絶対 に認められません。 ┏━┓ ┃4 ┃行事案内 ┗━╋…───────────────────────────── 1 映画 約束−名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯   出演 仲代達矢、樹木希林、天野鎮雄、山本太郎   伏見ミリオン座でロードショーが始まっています。   事務所でも特別上映券(1400円)を扱っています。   http://www.yakusoku-nabari.jp/ 2 ホウネット法律講座  今年の前半は次のとおり行います。テーマはすべて相続です。   4月18日(木) 北区味鋺  山内益恵弁護士 楠地区会館   5月15日(水) 守山区   加藤悠史弁護士 場所未定   6月19日(水) 尾張旭市  伊藤勤也弁護士 場所未定   7月17日(水) 犬山市   白川秀之弁護士 場所未定 参加費は無料です。どなたでも参加できます。  場所は決まり次第お知らせします。ホームページもご覧下さい。 ■ 編 集 後 記  ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……… 年に1回や2回は風邪をひきますが、今回は、4日間も寝込んでしまいました。配信 が遅くなり申し訳ありませんでした。インフルエンザではありませんでしたが、頭痛や 体の痛みに悩まされました。私も年なのでしょうか。腰痛もその原因がストレスの場 合であることが、案外高いという報告もあり、風邪もストレスとの関係性が言われています。 適度な休養(心と身体)を取りながら、長く頑張り続けたいと思います。(N) /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/ 【ホウネットメールマガジン】 発 行 日:月1回 発行開始日:2010年4月12日 ご意見ご感想はこちらまで https://g104.secure.ne.jp/~g104135/contact/ バックナンバーはこちらから http://www.kita-houritsu.com/?cat=50 本メールマガジンの解除はこちらから https://g104.secure.ne.jp/~g104135/melmag/ —————————————————————— ////////////////////////////////////////////////////////////////// ■   弁護士法人名古屋北法律事務所 ■   暮らしと法律を結ぶホウネット ■■ ■■  〒462-0819 名古屋市北区平安2-1-10 第5水光ビル ■■■  TEL:052-910-7721 FAX:052-910-7727 ■■■■ MAIL:info@kita-houritsu.com ■■■■ HP:http://www.kita-houritsu.com/ //////////////////////////////////////////////////////////////////

このページの先頭へ