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メールマガジン

中小企業メールマガジン No.39

2012年12月26日

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 弁護士法人名古屋北法律事務所 ホウネット 中小企業メールマガジン No.39(2012年11月16日配信) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ∞∞∞I N D E X∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ■□コラム ◆◇「中小企業経営に役立つワンポイント豆知識」◇◆ 『中小企業のための知的財産法(8)−職務著作について−』 弁護士 鈴木 哲郎 ◆◇第2回経営セミナー「勇気・ちみつ・決断−介護施設立ち上げと展開」報告◇◆ 弁護士 長谷川 一裕 ■□行事案内 ■□編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ■□コラム━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇「中小企業経営に役立つワンポイント豆知識」◇◆ 『中小企業のための知的財産法(8)−職務著作について−』 弁護士 鈴木 哲郎 今回は、「職務著作」と呼ばれるものについて取り上げます。 突然ですが、私がいまここで書いている文章は、(仮に著作物と認められるとして)私に 著作権が認められるのでしょうか?ここで問題となるのが、私が弁護士法人名古屋北 法律事務所に勤務する弁護士で、その勤務中にこの文章を書いているということです。 著作権法は、(1)法人等の発意に基づき、(2)その法人等の業務に従事する者が、 (3)職務上作成するものであること、(4)法人等が自己の名義の下に公表するもので あること、(5)作成時の契約、就業規則に別段の定めがないことを条件に、その法人等 が著作権者となることを認めています(15条1項)。 (1)は、従業員の業務として当然そのような著作物の創作を行うことが期待されている 場合も含みます。私はこのコーナーの担当者に任命されているはずですので、こうした文 章の作成が期待されているとは言えるでしょう。 また、勤務弁護士が勤務中に業務に関係する文章を書いているのですから、(2)と(3)も 認められそうです。特に契約や就業規則で定めてもいないので、(5)もクリアです。 しかし、この文章を公表する際には、一応私の名義で行っています。「弁護士 鈴木哲郎」 とちゃんと書いてありますね?そのため、(4)については、条件を満たしていないと考えら れます。もしこれが「弁護士法人名古屋北法律事務所」の名前で公表されていたら、(4)も 満たすことになってしまいます。 こうして、この文章については、何とか私が著作権を主張できるのではないかと思います。 問題は、そもそも「著作物」に当たるかということですが・・・。著作物の定義は、「思想又は 感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」 です(2条1号)。あれ、これは無理かもしれませんね・・・。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ ◆◇第2回福祉経営セミナー「勇気・ちみつ・決断−介護施設立ち上げと展開」報告◇◆ 弁護士 長谷川 一裕 1 10月6日、第2回福祉事業者のための経営セミナーが開かれました。 講師は、あま市・名古屋市西区・中川区を中心に介護事業所を立ち上げ運営している 「ゆうあいグループ」代表の丹波正史氏です。 丹波さんは、もともとは人権活動家。若い頃、部落差別の問題に目覚め、部落解放運動に 入りました。同和対策事業として16兆円もの公費が投入されましたが、その過程で同和 対策事業を食い物にする利権集団が跋扈し、部落解放同盟(解同)は「部落民以外は全て 差別者」として国民の間に分断と対立を持ち込む路線を走ります。丹波さんは、解同と決別し、 全国部落解放運動連合会(全解連)に結集して運動を進めました。 2 その丹波さんに転機が訪れたのは、2000年。高齢化社会が叫ばれ、居住地域で孤独死 が相次ぎ、高齢者の人間としての尊厳と権利を守る重要性を痛感し、この事業を営利企業だ けに委ねておくべきではないと考えた丹波さんは、『特定非営利活動法人地域人権ゆうあい会』 を立ち上げ、まずはホームヘルパーの養成・研修講座を愛知県の認可を受けて始めました。 新聞折り込みを入れたら、事務所にどんどん電話がかかり、50名以上がすぐに応募してきま した。最終的に、講座は約300名以上のホームへルパーを養成することになります。 4年前に癌と診断され、半年間入院生活を体験しますが、その後も2010年には西区に訪問 介護事業等を立ち上げ、癌治療の副作用ともたたかいながら意気軒昂に活躍しています。 3 2002年、丹波さんは、『有限会社ゆうあい介護』を設立し、あま市甚目寺町で訪問介護、 デイサービス事業を開業。不動産も資金もない丹波さんは、友人が経営する工場の二階を 家賃5万円で借りて始めました。利用者を運ぶ福祉車両も、初年度登録から10年以上経過 した中古車でした。 法人設立や認可の手続は大変でしたが、司法書士等に頼むことなく全て独学でやったそうです。 幸い町議をしていた奥さんのつながり等もあって利用者は増え、その後、西区・中川区に訪問 介護・訪問看護・ショートステイ等を展開し、2007年には小規模多機能型居宅介護支援事業 を始めて今日に至っています。 4 丹波さんは、自らが展開してきた介護事業を振り返りながら、今後、事業を立ち上げることを めざす人に対して、次のような点に留意してほしいと話しました。 (1)理念をしっかり立ち上げること、これが一番大切である。 理念がしっかりしていれば、主体となる法人は、非営利法人にこだわる必要はなく、株式会社等 でもよい。 (2)地域への社会貢献をめざす。 人間らしい生活を営める地域、安心して住める地域づくりに寄与するということを理念として掲げ るべきだ。農業・福祉等、「コミュニティビジネス」という考え方が広がっている。高度経済成長が終 息し、経済成長至上主義を見直し、「会社人間」ではなく自己実現の要求を大切する社会をめざす。 (3)制度等に関する勉強、研究が必要。介護保険・介護事業について知識がなければだめだ。 (4)固定資産をあまり持つべきではない。 たんばグループでは、事業者は全て賃貸。特に、コンビニが撤退した店舗は、立地条件は良く、 駐車場も広い。不動産屋にコンビニの撤退した空き店舗を探してもらった。 介護事業所は、堂々と目立つ場所に開業すべし。介護施設の閉鎖性を打ち破って、堂々と外から 見える形にして行うべきだ。 (5)高齢者の半数は貧困者である。生活貧困者に目線を向けた取り組みをやる必要がある。 生活保護世帯、家の中はゴミ屋敷という高齢者がいる。特別養護老人ホームもいっぱいで入る 場所がないため、精神病院に入院させる場合もあるようだ。 その中でどうやって事業を持続できる収支を実現するか。損して得を取る姿勢が必要ではないか。 介護報酬の加算を取れる体制にしなければ黒字にはならない。 小規模多機能は、本当に厳しい。泊まりは最高9名・通所は15名といった厳しい規制がある。 厚生労働省が掛け声をかけている24時間巡回型サービスも経営は大変ではないかと思う。 (6)どこで開業するか。開設場所の緻密な分析と勇気ある決断が必要だ。 高齢者の人口、高齢者比率、どこにデイサービスが足りないか、地図で徹底的に調べる。 名古屋介護ネットの地図があるが不十分。 (7)職員の労働条件は厳しい。ケアマネや訪問看護は、労働時間について週32時間制という 短時間正社員の制度も導入したりして工夫している。 5 丹波さんは、最後に、介護保険制度の現状、今後の介護事業のあり方について話しました。 丹波さんは、介護保険導入によって、措置制度によって高齢者福祉が行われていた時代より 高齢者介護が前進したことは間違いないとしながら、最大の問題は、要支援、要介護の認定を 受けていても2割の人がサービスを受けていないという現状であると指摘し、この方々に対する 介護サービスの提供をどう働きかけていくかが重要であると述べました。 また、ネットワークづくりの重要性を強調し、異業種との連携、社会運動との協力、弁護士等の 専門家とのネットワークが不可欠であると指摘しました。 丹波さんは、介護事業所を経営しているのは殆どが中小企業・零細企業であるが、多くの事業所 が人材不足、コンプライアンス遵守等の面で困難を抱えていることを指摘しました。資本力がある 事業者は、自治体で介護福祉に関する行政に携わっていた退職組を雇用できるが、これができな い中小零細企業はネットワークしていくしかない、これを事業として展開できないか模索している と述べました。 ■□行事案内━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★福祉事業者のための経営セミナー★☆ 今回の長谷川弁護士のコラムで紹介した、福祉経営セミナーのご案内です。まだまだ受講者募集中 ですので、興味のある方は当事務所までお問い合わせください。 http://www.kita-houritsu.com/?p=4247 ★第4回 介護事業所における労務問題★ 日にち :12月1日(土)14:00〜16:00 場所  :愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 講師  :八橋社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 八橋昭郎 ★第5回 利用者の財産管理、放っておいて大丈夫?★ 日にち :2013年1月12日(土)14:00〜16:00 場所  :愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 講師  :弁護士法人名古屋北法律事務所 弁護士 加藤悠史 ★第6回 みんなでささえ合う、地域福祉★ 日にち :2013年2月9日(土)14:00〜16:00 場所  :名駅モリシタビル7階 第5会議室 講師  :特定非営利活動法人 権利擁護支援『ぷらっとほーむ』理事 篠田忠昭 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ ☆★ホウネット無料法律講座★☆ 恒例の無料法律講座です。いずれの回も参加費はかかりません。お気軽にご参加ください。 お問い合わせ、お申し込みはホウネット事務局(052−910−7721)まで。 http://www.kita-houritsu.com/?p=4301 ★知っておきたい相続の基礎知識★ 日にち :12月5日(水)14:00〜16:00 場所  :名古屋市西生涯学習センター 講師  :弁護士 山内益恵 ■□編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先週日曜日、名北福祉会設立50周年記念の地域企画に参加してきました。 名北福祉会は、めいほく保育園をはじめとする多数の福祉事業所を運営する大規模な社会 福祉法人ですが、最初は紡績工場で働く女性たちが小さな共同保育所を立ち上げたのが始 まりでした。現在では上飯田地域になくてはならない地域活動の拠点となっています。 当日はあいにくの天気でしたが、それでも近所の子どもたちや赤ちゃんを連れたお母さん、 お年寄りの方が立ち寄ってくださり、遊びのコーナーや作業所のパンが食べられるカフェコーナー が賑わっていました。 当事務所は開設から10年ちょっと。名北福祉会の歴史の足下にも及びませんが、地域の人々と 協力して住みやすい地域づくりに貢献していきたいです。(F) ↓↓↓↓↓ご感想や御意見はこちらから↓↓↓↓↓ hounet-sme@kita-houritsu.com ↓↓↓↓↓ブログのバックナンバーをご覧になれます↓↓↓↓↓ https://g104.secure.ne.jp/~g104135/melmag/ ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ 【中小企業メールマガジン】 中小企業メールマガジン No.39(2012年11月16日発行) 発行日:月2回・月曜日配信(休刊:祝日、年末年始など) 創刊日:2010年4月5日 ↓↓↓↓↓本メールマガジンの登録はこちらから↓↓↓↓↓ hounet-sme@kita-houritsu.com ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【発行元】 ======= 弁護士法人名古屋北法律事務所 ======= ======= 暮らしと法律を結ぶホウネット ======= ─┌──┐ 〒462-0819 名古屋市北区平安二丁目1-10 第5水光ビル3階 ─│\/│ TEL:052-910-7721 FAX:052-910-7727 ─└──┘ MAIL: hounet-sme@kita-houritsu.com HP:http://kita-houritsu.com/ Copyright(C) 名古屋北法律事務所? 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