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メールマガジン

中小企業メールマガジン No.40

2013年1月23日

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 弁護士法人名古屋北法律事務所 ホウネット     中小企業メールマガジン No.40(2012年12月28日配信) _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ∞∞∞I N D E X∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ■□コラム ◆◇「中小企業経営に役立つワンポイント豆知識」◇◆ 『中小企業のための知的財産法(8)−職務著作について−』 弁護士 鈴木 哲郎 ◆◇第3回福祉経営セミナー「養介護施設における高齢者虐待をなくすために」報告◇◆ 弁護士 加藤 悠史 ◆◇第4回福祉経営セミナー「介護事業所における労務問題」報告◇◆ 事務局 福島 あづさ ■□行事案内 ■□編集後記 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ■□コラム━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇「中小企業経営に役立つワンポイント豆知識」◇◆ 『中小企業のための知的財産法(9)−キャラクターの利用と著作権−』 弁護士 鈴木 哲郎 突然ですが、とあるアニメのキャラクターに扮して創作のストーリーを演じ、それをDVDにした ような場合、著作権法上どのような問題があり得るでしょうか? ここで確認しておかなければならないのは、「著作権法は、具体的な『表現』を保護する法律で あって、『アイデア』を保護するものではない」ということです。 そして、漫画やアニメの登場人物のキャラクター(名前や風貌、性格等)というのは、特定の「表 現」によって表されているものではなく、その作品全体によって表現された抽象的な「イメージ」 であると考えられています。 例えば、かの国民的アニメである「サザエさん」の登場人物であるカツオを例にとってみると、 「カツオ」というキャラクターは、長年続いてきた放映の中であの風貌や性格が世間に定着し、 誰にでもイメージできるようになってきたものです。 そうすると、この抽象的な「イメージ」というものは、著作権法上は「アイデア」に当たり、著作権 法による保護が及ぶ具体的な「表現」ではないと考えられます。 したがって、仮に私がカツオを、他の弁護士がフネやワカメを演じて、波平(父)が亡くなった場合 の相続争いという設定の劇をDVDにしたとしても、著作権法上は特に問題とならないと思われ ます。 ただし、これは「まったく新しいストーリー」というのが前提です。もし「○月○日の放送が面白かった からあの回の脚本を真似しよう」ということになれば、それは具体的な「表現」の使用となり、問題 となる可能性が出てきます。また、実写の劇ではなく、アニメの絵を真似して漫画にしてしまえば、 それも特定の「絵」という表現の複製や翻案と評価される場合が多いでしょうから、気を付ける必要 があります。 ところで、先ほどのDVDが実際にあったら面白いと思いませんか?名古屋北法律事務所では、 その思いつきを実行に移してしまいました!これを見れば、相続にまつわる法律問題を楽しく学ぶ ことができます。無料の出張法律講座を行っていますので、興味のある方は当事務所までお気軽に ご連絡ください。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ ◆◇第3回福祉経営セミナー「養介護施設における高齢者虐待をなくすために」報告◇◆ 弁護士 加藤 悠史 今年、全6回の講座で開講した福祉事業者のための経営セミナーですが、11月2日に第3回講座 が実施されました。 第3回は「養介護施設における高齢者虐待 をなくすために」と題して、名古屋北法律事務所の長谷川 一裕弁護士に講演いただきました。高齢者虐待防止法を中心に、高齢者虐待を巡る問題を学びました。 高齢者虐待防止法は、平成18年に施行された新しい法令で、わずか30条の短い条文だけですが、 高齢者虐待とは何かを定義し、虐待の早期発見・対応を重視して市町村を虐待防止行政の主たる担い 手にするなど、重要な規定を設けています。? 法律が制定された背景には、介護者が要介護者を死に至らしめる刑事事件が相次いだことや厚生労働 省による虐待に関する実態調査で多くの虐待の実態 が明らかになったことにあります。両親などの要介 護者を死に至らしめてしまう事件は本当に残念な事件ですが、その背景には、孤立し疲れ果てる介護者 の状況 や貧困と格差の広がりがあります。そういった意味では、高齢者虐待防止法だけではなく、社会 全体でのサポートも不可欠と思われます。 ご承知のとおり、高齢化社会は急速に進行し、高齢化率(65才以上の人口の割合)は2010年で23%、 2050年には約40%近くなると予想されています。そのため、第一に高齢者虐待防止法の浸透が重要 であることは多言を要しません。 高齢者虐待防止法では、養護者に対する支援や虐待の防止だけでなく、養介護施設・事業者による虐待 の防止も定められています。いずれも、虐待を発見した場合にはこれを通報する義務・努力義務が規定さ れており、その反面、守秘義務が解除されることになります。一方、通報に対応するのは行政の役割と なっており、場合によっては地域包括支援センターの職員に立入り・調査権を行使させることもできると なっています。また、行政は養護者の負担軽減のため、 相談、指導及び助言をしなければなりません。 これらの法律の規定を実効的にしていくためには、行政等により、具体的な施策を施していくことと、社会 全体でのサポートが必要だろうと実感しました。 もう1点触れておくと、高齢者虐待には、身体的な虐待だけでなく、経済的な虐待も含まれていることです。 親が認知症であることをいいことに、親の 財産を使い込むなど、表面化していない問題も沢山ありそうです。 施設としても、利用者にそういった兆候があった場合に、どうすればよいか悩ましい問題ですよね。高齢者虐 待防止法では、経済的虐待の防止のために、成年後見制度の利用促進も定められています。 成年後見制度の具体的な中身や活用方法については第5回講座で予定されていますので、ぜひ、ご参加くだ さい。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+ ◆◇第4回福祉経営セミナー「介護事業所における労務問題」報告◇◆ 事務局 福島 あづさ 第4回の福祉経営セミナーの講師は、特定社会保険労務士の八橋昭郎さん、テーマは介護事業所における 労務問題です。パワーポイントとたくさんの資料で、一般的な労務環境から、介護事業所に特化した問題点や 就業規定をつくるにあたって注意すべき点などを講義してくださいました。 現在は多くの福祉施設がありますが、労務管理がきちんとできていないことが往々にしてあるようです。実際、 高齢者の命を預かるという大切な場所でありながら、法令違反が多いというデータがあるそうです。 背景としては、人材不足、賃金が安い、賃金台帳を残さない施設が多いなど。また、ボランティアの延長線の ような概念があるのではないかと八橋さんは分析され、なるほどと思ってしまいました。  しかし、現在はインターネットなどの情報で職員が自分で労務について調べられるため、時には運営側よりも 法律に詳しくなってしまい、信頼関係の崩壊が起こることも考えられます。職員のモチベーションが下がれば 利用者へのサービスも悪くなり、地域で悪い評判が立ってしまって利用者が減るという悪循環になります。また、 あまりにもひどいと労働基準監督署の調査が入り、最悪の場合は業務停止という結果になりかねません。 そうならないために労務環境を整えることが大切、と八橋さんはおっしゃいます。 経営理念を作り、就業規則を整備し、職員への周知を徹底させることが大事です。就業規則の作成も経営者が 一方的に決めるものではなく、職員と一緒に考えていくべき、とのことです。 採用時の試験や健康診断の実施、労働者名簿の管理、所定時間外労働の細かな規定、パートに対する有給 取得の問題、事業所の管理者のための役職手当の見直しなど、就業規則を作るにあたって細かい解説もして くださいました。特に介護施設特有の問題では、自宅-事業所-利用者宅など移動の多い登録ヘルパーの勤務 時間についてもきちんと決めるべきとのことでした。そのため就業規則は非常に細かく長いものとなってしまう ので、職員間でわかりやすいルールブックを作ってみては、という提案もいただきました。 私は法律事務員で介護施設の環境とは違いますが、自分の働いている環境でもためになるお話でした。残業 は1分単位で計算するとか、職業の適性試験の実施、職員の健康状態の把握などは、他の職場でも励行すべ きことではないかと思います。  また、労働者の立場からみて、これほど細やかなケアがあれば、経営者との信頼関係も強くなり、働きやすい 職場となるでしょう。今回は経営者のための講義でしたが、労働者としてもこのような話を聞くことは大切だと 思いました。 八橋さんは、自らが労働者だった経験を活かし、「労働者を管理しやすい職場」ではなく「労働者が働きやすい 職場」づくりを経営者に勧めていらっしゃるのだと強く感じる講義でした。 ■□行事案内━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆★福祉事業者のための経営セミナー★☆ 今回の長谷川弁護士のコラムで紹介した、福祉経営セミナーのご案内です。まだまだ受講者募集中ですので、 興味のある方は当事務所までお問い合わせください。 http://www.kita-houritsu.com/?p=4247 ★第5回 利用者の財産管理、放っておいて大丈夫?★ 日にち :2013年1月12日(土)14:00〜16:00 場所  :愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 講師  :弁護士法人名古屋北法律事務所 弁護士 加藤悠史? ★第6回 みんなでささえ合う、地域福祉★ 日にち :2013年2月9日(土)14:00〜16:00 場所  :名駅モリシタビル7階 第5会議室 講師  :特定非営利活動法人 権利擁護支援『ぷらっとほーむ』理事 篠田忠昭 ■□編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年はほとんどメルマガの発行ができませんでした。楽しみにしてくださった方々には申し訳ありませんでした。 来年からは再び心を引き締めて、定期発行を目指します。 衆議院総選挙も終わり、自民党が再度政権を取りました。来年はどんな年になるのか。ただひたすら、明るい年 になることを祈っています。(F) ↓↓↓↓↓ご感想や御意見はこちらから↓↓↓↓↓   hounet-sme@kita-houritsu.com ↓↓↓↓↓ブログのバックナンバーをご覧になれます↓↓↓↓↓ https://g104.secure.ne.jp/~g104135/melmag/ ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△ 【中小企業メールマガジン】 中小企業メールマガジン No.40(2012年12月28日発行) 発行日:月2回・月曜日配信(休刊:祝日、年末年始など) 創刊日:2010年4月5日 ↓↓↓↓↓本メールマガジンの登録はこちらから↓↓↓↓↓ hounet-sme@kita-houritsu.com ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【発行元】  ======= 弁護士法人名古屋北法律事務所 =======  ======= 暮らしと法律を結ぶホウネット =======  ─┌──┐ 〒462-0819 名古屋市北区平安二丁目1-10 第5水光ビル3階  ─│\/│ TEL:052-910-7721? 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