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事務所だより

福島の真の復興に向けて〜人権擁護大会プレシンポジウム(福島)に参加しました

2013年9月20日

東京電力福島第一原発事故による被災者救済や福島県復興に向けて意見を交わすシンポジウム「原発事故で奪われたものは何か〜住民被害の回復と地域の再生に向けて〜」(第56回人権擁護大会プレシンポジウム・福島県弁護士会主催、日本弁護士連合会、東北弁護士会連合会の共催)が9月7日に郡山市のホテルハマツで開かれ、参加してきました。

講師は除本理史大阪市立大学大学院准教授、パネリストは遠藤雄幸川内村長と馬場有浪江町長ら。パネルディスカッションでは(1)人命被害(2)賠償状況(3)避難の経過(4)災害関連死(5)初期被ばく(6)継続的な外部被ばく(7)除染(8)ふるさとの喪失(9)司法アクセス、という多岐にわたって資料を交え意見交換がなされました。

2013年、復興庁による原子力被災自治体における住民意向調査の報告でも明らかになっていますが、住民の意向として、帰還しない(地元に戻らない)と決めているという回答が目立ちます。その理由として、国によるインフラ復旧や除染が進む中でも、放射線量への不安が多いことの報告がありました。現在の除染政策がどこまで有効なのか疑問視されていることの現れであり、住民は一時的な復旧、除染を望んでいないのだと感じました。 

賠償に関しては、被害地域では、土地は先祖から引き継がれ、また次の世代へ引き継ぐ代々続くかけがえのないものであり、お金では替えられない(代替性のない)というものだという、(都市部と異なる)意識の違いがあるということ踏まえ、賠償の際にはせめて再取得価格での賠償、補償を求めるべきなのでしょう。

しかしながら、いくら賠償、補償があったとしても現住地を追われたことには変わりありません。地域固有の要素、コミュニティや地域発展のポテンシャルが奪われ、それらは回復困難です。被災者の生活再建、被災地の地域再生が課題です。この2点に加えて、心身の健康問題について、日本学術会議でも提言されています(2013-6-27)

かけがえのない「ふるさとの喪失」、それを取り戻すために長期的な生活再建、復旧・復興をするために制度改革が必要です。具体的には子ども・被災者支援法やその施策を被災者目線で充実させることなどが重要だと感じました。

事務局 幸田

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