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事務所だより

臨済宗永正寺を訪ねて 豆電球№109

2010年3月31日

臨済宗永正寺を訪ねて 豆電球№109

江南市に永正寺という臨済宗というお寺があります。3月末、知人の紹介でお寺に伺い、住職さんとお会いする機会がありました。広い敷地に堂々とした伽藍。本堂脇にしつらえられた部屋は、和風のテーブルと畳敷きの椅子を備えた茶室で、炉が切ってあります。おいしい濃い茶をいただきながら、お話を伺いました。

この永正寺というお寺は、とてもおもしろい(言葉に語弊があるかもしれませんが)取り組みをやっていました。
永正寺が力を入れているのは、葬式のあり方を改革するということです。
葬式というと祭壇等でお金がかかり、「葬式はいらない」等という本がベストセラーになっています。私の檀家は曹洞宗ですが、日本史で習った葬式仏教という偏見で見ているからかもしれませんが、葬式や法要等が住職の活動の中心であり、経営基盤も葬式代や戒名代等が中心を占めているようです。そのあり方に一石を投じようとしているのが永正寺です。
永正寺では、花の替わりに缶ビールで飾った祭壇やお供えを飾り、香典は葬儀当日に商品券で半返しするというユニークな葬式を行います。写真を見せて貰いいましたが、そんなに見劣りしません。酒好きの故人の場合にはうってつけかもしれません。
戒名については、島田裕巳の「葬式はいらない」は(私は、後日、読んだのですが)、戒名には仏典上の根拠がなく、高額の院号、戒名料のあり方にも疑問があると主張します。これについて、住職は、この島田氏の指摘は部分的には正しいとしながらも、やはり戒名はあった方がいいのではという御意見でした。住職が書かれた新聞記事の写しをいただきましたが、その中では亡くなられた日の星空をイメージして「星空明心大姉」という戒名をつけた方のことを紹介し、遺族の心情に寄り添った戒名は、遺族が悲嘆から立ち直る一助になると書かれていました。
永正寺は、葬式の改革だけではなく、地域に開かれたお寺、地域の人たちとのつながりをほとても大切にしています。本堂には大型のスクリーンが設置され、立派な音響設備が設置されていました。本堂で時々コンサートをやったり、映画上映会をやるのだそうです。
荒川静香が金メダルを取ったオリンピックでテーマにしたプッチーニの「トューランドット」のDVD(一部)を聞かせていただきましたが、素晴らしい音です。住職は、みんなに見せるため、いろんな映像を記録しているようです。本堂には椅子が設置され、150名は入れそうです。板敷きの本堂が多いのですが、正座ができない人や腰痛の人、高齢者には厳しい。椅子の方が、人にやさしいという配慮からでしょうか。
4月には、地域の子供たちを読んで人形劇を上演するとのことでした。地域の子供を集めたお祭りのようなこともやるそうです。境内の待合所には、ソフトクリームやコーヒーを提供する機材も備え付けられています。
永正寺には、先ほど紹介した椅子の茶室の外にもう一つの茶室があります。4畳半の茶室の前には庭があり、露地や手水鉢もあります。私は茶道の心得は全くありませんが、事務局員の近藤さんが茶道の免許を持っていることもあって、以前か茶道に関心を持っていますので、是非、一度この茶室を使わせていただき、お点前を拝見したいものだと思いました。?
帰り際に見た山門脇の木蓮の花がとても綺麗でした。木蓮の花は、夜の景色に良く似合います。
私は、最澄の「一隅を照らす」という言葉が大好きですが、葬式仏教に堕することなく、また既成の観念に縛られることなく、人々の幸せを願いながら、地域で様々な取り組みをすすめておられる住職の姿を見ながら、弁護士のあり方についても考えをめぐらせていました。

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