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事務所だより

花の季節に 豆電球No.13

2006年4月24日

花の季節に

今年は、冬の寒さが厳しかっただけに、春の到来が例年にも増して嬉しく感じられる気がする。桜はすっかり葉桜だ。名鉄電車小牧線に乗っていると、味鋺駅を過ぎた当たりに車窓から西側を眺めると二子山古墳公園が見える。そのソメイヨシノはなかなか見事なものである。未だ散らずに咲いている桜の花が茶、淡い新緑と混ざり合う葉桜の様から、すっかり新緑の緑が一層濃くなってきた気がする。以前は、桜の散り際の美しさに目を奪われ、葉桜は興ざめではない かと思っていた。しかし、自分の美しさの最盛期を過ぎながら、どうして立派に生きている感じ、といおうか、それはそれとしての感興があって、なかなか良いではないかと思うようになった。

桜の季節が過ぎて、街角には様々な草花が彩りを競っている。私の自宅は、小牧市南部にあるが、道路を挟んで田圃が広がっており、あぜ道にも、様々な草花が咲いている。
以前は、街路やあぜ道に咲く花に関心を向けることはなかったが、最近は、とても気になるようになった。春の到来が待ち遠しくなり、路傍の花々に目がいくのは、ひょっとして自分が歳を取ってきたことも原因なのかもしれない。

事務所の周辺は、大きな公園もなく、緑が豊かとは言えないが、それでも上飯田駅から平安通に至る歩道を歩くと、傍らの街路樹のハナミズキを見ながら歩く ことができる。白とピンクのハナミズキが交互に植えられている。ハナミズキは、ピンクや紅など、様々な色のものがあるが、何といっても白だ、と思う。明る い黄緑色の葉の色と調和して、すがすがしい印象がする。
日曜日に、図鑑を片手に、自宅の周辺を散策した。北外山の集落から間内駅北の踏切を渡って、牛山、竹林を抜けたのだが、その間、実に多種の花に出会うことができた。他人様の庭先に佇立して図鑑を広げ、メモしたりしていると不審な者と見られはしないかと思いながら歩いた。

北外山の交差点を渡り、庭先のヒナギク、プリムラ、マーガレット(自分はフランスギクとの区別ができないのだが)等、庭先の花を見ながら歩いていると、 紫紅色のモクレンの花が目に入った。薬師寺の庭に入って見ると、ボタンが今が盛りと咲き誇っている。ボタンの華やかさは、他の花にはないものだ。そのお寺 は曹洞宗なのだが、和尚さんは、時々中国を旅行しておられるようで、そのときに持ち帰られたのではないかと思う。中国語と思われる漢字で名札が立てられて いた。ピンク、黄色、白と紅のツートンカラー等、実に華やかである。寺を過ぎると、大きな花壇があるお宅がある。赤色のキンギョソウ、ハナショウブが素晴 らしくて、見とれた。名鉄線を渡ったところにちょっとした竹藪があるが、その脇に咲いていたヤマブキの黄色の鮮やかなこと。
住宅地を歩きながら、庭に咲く花々をタダで観賞させて貰いながら、気がつくと2時間が経っていた。

いろいろ見た中では、やはり今の時期、ハナミズキの美しさが際だつ。庭木としてはナンバーワンクラスではないだろうか。次に目立ったのが、ハナズオウ。枝を包むように咲く濃い桃色の花が愛らしい。
サクラも、頑張っている。シダレザクラはやっぱり葉桜だが、サトザクラは、今は盛りかもしれない。桃の花も忘れてはいけない。ピンクのハナモモの可愛いこと。
一軒のお庭に、高さが3メートルはあろうかと思われるドウダンツツジがあったが、枝ごとに白い小さな花をいっぱい付けた様はさわやかである。
庭木で植えられていることは少ないようだが、私は、ヤマブキ、特にヤエヤマブキの橙色の花が気に入っている。ジャスコ小牧店の駐車場の北東の川縁に、群生が見られた。みずみずしい新緑の葉触りもいい。野生の元気で素朴な美しさを感じる。
ゴールデンウィークが近いので、また時間が有れば近いうちに歩いてみたいと思った。花の時期は短いから。

「いざ子ども山べに行かむ菫見に明日さへ散らば如何にとかせむ」(良寛)
子供は、もう一緒に歩いてくれないが、一人でブラブラ歩くことも悪くない。

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