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事務所だより

ちくさ事務所1周年記念講演会報告

2014年12月1日

ちくさ事務所1周年企画で池田恵理子さんの講演を行いました。

11月29日に名古屋北法律事務所ちくさ事務所1周年企念の講演会を開催しました。
当日は午前中はあいにくの雨でしたが、午後には雨もやみ、会場の民主会館には千種、名東、守山等の各地から多数の参加者がいらっしゃいました。
参加者数は70名で、会場がほぼ満席になりました。
最初に主催者を代表して伊藤勤也弁護士より開会の挨拶がありました。伊藤弁護士の挨拶では、ちくさ事務所が開設してやく1年が経過し、何か大きな企画をし、地域の皆さんにご挨拶の時間を持ちたい、昨今話題になっていた朝日新聞に対する右翼的なマスコミからのバッシングに対して危機感を感じている、安倍政権に対して反撃するためにはマスコミは非常に大きな力を持っているが、その内部でやっている良心的な人々の話を聞くことで、表現の自由の危機に対して対抗していけると挨拶しました。

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講師の池田恵理子さんは、NHKに入局後、慰安婦問題を題材に何本もの番組制作に携わりました。ただ、そのためにNHK内でも冷遇をされ、NHK退職後は、「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)の活動にも取り組んでおられました。

池田さんは、慰安婦などの戦時性暴力に関する問題については、日本の内外で非常に大きな温度差があるにもかかわらず、日本のマスコミがそれを冷静に報道しないことが非常に問題であると指摘していました。どのマスコミも朝日新聞のようにバッシングをされることを恐れて報道を自粛してしまっているそうです。
また、慰安婦を巡る問題から、日本の売買春に対する社会の意識の低さが浮かび上がるとの指摘も非常に興味深かったといえます。確かに、橋下大阪市長の発言を見てみると、池田さんの指摘ももっともなものと言えます。
池田さんのお話を聞いていて戦前の言論弾圧と同じ状況にいると言えるのではないかと思えました。現在は、憲法で表現の自由が認められていながら、マスコミ自身が自分から表現を自粛してしまう状況なので、戦前よりも問題の根が深い気もします。
池田さんは、最近の朝日新聞バッシングの動きは、政府はマスコミを支配したがり、マスコミを通じて自分たちの支配を広めようという流れではないかと仰っていました。そこに対抗していくためには、市民自身が賢くなっていく敷かないと思いました。今後、朝日新聞バッシングをめぐっては12月中に第三者委員会の検証結果が報道されることでこれを契機にバッシングが再開しかねないとのことですが、そのような動きに惑わされないために、情報をきちんと見分ける目が必要になると思います。

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閉会の挨拶は長谷川弁護士が行い、ますます地域に身近な法律事務所をめざす決意を語りました。閉会後は池田さんの書籍の即売会兼サイン会を行い、それぞれの感想を語り合い、非常に有意義に終了しました。

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