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事務所だより

報告 〜「有縁づくり学習会」を開催しました(5/14)

2011年6月1日

「有縁づくり学習会」を開催。安心して暮らせる暖かい街に!
 5月14日(土)に、特定非営利法人『権利擁護支援ぷらっとほーむ』の篠田忠昭理事長をお招きして、「有縁づくり学習会 安心して暮らせる暖かい街に」を開催しました。
  (事前の案内http://www.kita-houritsu.com/?p=3007

110514篠田さん学習会
 この学習会におけるキーワードは、「有縁社会」と「地域のつながり」でした。
 講演の中では、現在の日本における深刻な人口構造の変化を皮切りに、名古屋地域の高齢者・障がい者の方々の現状が語られ、「ぷらっとほーむ」の活動紹介に話が及びました。

 参加者は、地域の民生委員の方や、医療施設・福祉施設の関係者、ボランティア活動を志している方々を初めとして、約40名にも及び、テーマへの関心の高さがうかがわれました。

 学習会には私の知り合いの司法修習生も2名参加。感想を寄せていただきましたのでご紹介します(実際の感想文はもっと長いのですが、紙面の都合上、一部抜粋したものを掲載しています)。

2011年6月1日
 弁護士 鈴木哲郎

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新64期司法修習生 K.Tさんより

 学習会に参加したのは、自分が弁護修習で関わった裁判員裁判の経験から、障がいのある方のサポートについてもっとよく知りたいと思ったからです。その事件の被告人は精神障がいとそれに対するサポートの不足が間接的な原因となり犯罪を繰り返しているようで、家族だけでなく様々な専門家のネットワークでサポートすることが重要なのだろうと考えました。
 学習会では、まず、行政やNPOなどの、それぞれが持っている得意分野(同時にあまり得意でない分野)を理解し、お互いに協力することで、より良いサポートを提供することができることを学びました。ぷらっとほーむの活動は、関連機関・専門機関が、具体的に何が得意で何が不得意なのか理解した上で、力を入れるべき分野を分け、それでも足りないところを補うことで、制度の谷間にいる人たちに適切なサポートが提供できるようしており、その点がとても勉強になりました。
 また、老人福祉に関して、弁護士は身上監護については得意ではありませんが、財産管理などの法律問題で活躍の場がある等、弁護士が老人福祉に協力する方法について具体的に学べたことは、弁護士になるにあったて具体的なイメージができ参考になりました。
 普段の修習では、なかなか法律家以外の方のお話を聞く機会がありませんので、このような学習会に参加させていただいて本当に勉強になりました。しかも、具体例に富み、様々なアイディアも披露してくださり、とてもおもしろかったです。
 ぷらっとほーむの設立動機である「市民の権利を守る」ことは、まさに弁護士の仕事であり、弁護士も、こういった法律家以外の団体や機関とタッグを組んで、市民の権利をより広く深く守る必要性を強く感じました。
 今回学んだことを今後に活かしていきたいと思いますし、また機会があれば参加したいです。

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新64期司法修習生 M.Mさんより

 篠田さんのお話はご自身の経験に基づくもので臨場感に溢れ、ユーモアもあり、とても引き込まれました。また、高齢者の生活や人権を真剣に考え、24時間体制で見守る方がいらっしゃることに感動しました。
 篠田さんのお話を聞いて学んだことは、高齢者の方が日常生活において悩み・不便さを感じる場面は多岐に渡っており、迅速できめ細かな対応が必要となるということです。そのような状況において、地域のネットワークは非常に重要であると感じました。ひとつの問題を解決するにあたり、弁護士の力を必要とする局面やNPO等の支援団体の力を必要とする局面など様々な場面がある以上、より大きな力を生むためには、多様な分野の人と連携をとることが不可欠であることがよくわかりました。
 民生委員の方をはじめ、弁護士、社会福祉士、医師など様々な専門知識を持った方で構成される「ぷらっとほーむ」のような存在は、時代の先駆けだと思います。また、高齢者の問題に限らず、地域の問題に住民自身が目を向け、住民が主体となって取り組んでいくことの必要性は大きいと感じました。
 とても大切な視点を学べた学習会でした。私も、地域社会の繋がりを大切にできる弁護士になりたいです。

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